役員退職金の損金算入要件、損金算入時期について

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役員退職金の損金算入要件、損金算入時期について

法人の税金

2021/06/22 役員退職金の損金算入要件、損金算入時期について

こんにちは!

兵庫県西宮市で会計事務所をしております公認会計士・税理士の永野です。

 

今回は中小企業の経営者の方にとって関心の高い、役員退職金についてお話します。

 

 

役員退職金は、金額が高額になることから、法人税を計算する際の課税所得に与える影響が大きい項目です。

このため、税務調査において否認されないようにすることが重要と言えます。

 

役員退職金は、支給額が不相当に高額でなければ損金算入できますが、実務上の留意点は下記の4つになります。

 

①退職の事実はあるか

 

当たり前ですが、実際に退任・退職することが必要です。

 

 

②株主総会等の決議はあるか

 

株主総会の決議等で役員退職金の額が確定していれば、損金算入の要件は満たされ、議事録の具備は損金算入の要件ではありません

しかし、株主総会の決議等があったかどうか事後的に容易に説明するためには、正確な議事録の作成が求められます

また、税務調査で議事録を求められる可能性もありますので、必ず作成・保管しておきましょう。

 

③金額は妥当であるか

 

役員退職金を損金算入するためには、不相当に高額ではなく、事実を隠蔽又は仮装して経理することにより支給したものではないことが必要です。

このため、不相当に高額ではない範囲内で支給額を決定します。

役員退職金の適正額は、退職した役員の貢献度、勤続年数、地位等を考慮して総合的に判断し決定しますが、実務上、下記の「功績倍率方式」を採用することが一般的です。

 

 

役員退職金の適正額=退職時の最終報酬月額×勤続年数×功績倍率

 

ここで、功績倍率に何倍を用いるかですが、過去の判例から代表取締役であれば3倍程度が上限とする見解が一般化しています。

しかし、功績倍率が3倍以下であっても否認されるリスクはゼロではないので、法人の財政状態などとのバランスを考慮して支給額を決定しましょう。

 

 

④損金算入時期は適切であるか

 

株主総会のあった日の属する事業年度に全額を損金算入することが可能です。

また、分割支給する場合には、支給する都度に役員退職金として損金経理することで、損金算入時期を分割することも可能です。(役員の分掌変更等の特殊な役員退職金は除きます)

ただし、分割支給する場合は、どの程度の期間にわたって分割できるかは明確ではありませんので、できるだけ短期間に支給するようにしましょう。

 

 

まとめ

 

役員退職金は金額が高額になるものと想定され、税務調査でのリスクが高い項目です。

しかし、法人の課税所得に与える影響が大きいため、大きく節税を図れるものでもあります。

 

上記では簡単に概要をまとめたにすぎませんので、必ず顧問税理士に相談し検討するようにしましょう。

 

 

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